昨年、かつて遠州地方に名を馳せた美酒が、
地元の有志の方々の努力により、130年の
時を越えて復活しました。
私と仲間の酒屋さんと、今年はその活動に
参加させて頂こうという事になり、昨日
その幻の銘酒「花の香」の2年目の酒造りの
序章である、酒米の田植えに参加させて頂きました。
子供の頃は家のまわりは田んぼばかり。稲刈りを終えた田んぼでソフトボールや
鬼ごっこをして遊んだ事はありましたが、田植え前の田んぼに足を踏み入れる
ことはありませんでした。
そんなことをしたら近所の農家の方にしかられてしまいます。
それが今回は経験できました。
参加者は指導をしてくださる農家の方や世話人(実行委員の方々
を含めておよそ30人ほど。
今回も、「花の香」の蔵元である東京学芸大学学長の、
鷲山恭彦さんも東京から駆けつけて下さいました。
田植え経験者と初心者の比率はおよそ半分半分と言うところ。
裸足となって田んぼに足を踏み入れると、日が当たって
少しぬくとくなった(温かくなった)田んぼの水とぬるぬる
とした泥の感触が心地いい!
泥と言うと汚いとか、くさいとか言ういわゆる家の周りの
溝(どぶ)を想像してしまいますが、田んぼのそれとは
全く違うのです。
久しぶりに嗅いだ田んぼのにおいは、なぜか懐かしい
良いにおいがしました。
丁寧に土作りからされた証拠であると思いました。
各々苗を持ち、横に5列づつ植えて行きます。
簡単に見えてこれがやってみると中々難しい。
先ず25センチ間隔に揃えて植えて行く作業は、目印のロープがあるのに
曲がってしまったり、進んで行く時に折角植えた苗を踏んでしまったり
足が泥に取られて尻餅を付きそうになったり、大変でした。
それでも参加された方は、皆笑顔で、慣れない作業をこなして行きました。
中腰で植える作業もキツカッタ。
杜氏さんや蔵人の方には、造りが終ると故郷に帰ってお米を作って
おられる方もいらっしゃいますが、酒造りも体力がいりますから、
こうしたお米作りで酒造りのOFFには鍛えていらっしゃるのでしょう。
田んぼは、しばし童心に帰った大人たちの、はしゃいだ声が響き渡りました。
いずれにしても素人である者が植えて果たしてお米になるのかと
思ってしまいますが、田植えの終った田んぼを管理して下さるのは
プロの農家の方。あとはお任せ致します。
でも、秋になって自分が植えたところでお米が取れなかったらどうしよ~。
少しの時間でしたが、楽しいひと時を過ごさせて頂きました。