凛とした酒 小夜衣 平成蔵初しぼり

温故酒新堂

2007年03月17日 22:41



小夜衣の蔵元である森本均社長のお母さんが

亡くなられた事を問屋さんからのFAXで知り、

葬儀は既に昨日の昼間に執り行われていた為に

参列出来なかった私は、夜になってお悔やみに伺いました。

蔵に着くと、葬儀の片付けを終えた森本社長はもう、仕事をされていました。

私が中に入って行くと、突然現れた私に少し驚きながら

「遠い所をわざわざどうも」と言いながら

蔵の中の事務室に招き入れて下さいました。

それから1時間ばかり、84才で他界されたお母さんの事から

今年の酒造りの事など、二人で話をしました。

いつもは飄々とした社長もこの日ばかりは、一抹

の寂しさを感じられているようでした。

去年新築されたばかりで、勝手の違う蔵の中での初めての酒造り。

そして病気のお母さんの容態を見ながら、酒造りをされた社長。

肉体的にも精神的にも大変だったと思います。

葬儀に参列できなかった事をもう一度詫び、蔵を後にしました。

帰途に付き、今年のお酒

『小夜衣純米酒 遠州自然流 平成蔵初しぼり』を開けました。

昨年の暮れ、出来上がったお酒を持ってきた時、『どうにか酒に

なったよ』とおっしゃっていた森本さん。

凛とした、実にいい味わいのお酒になって来ましたね。

ある意味で色々な思い出が詰まった新蔵第1号のお酒。

大事に扱わせて頂きます。