凛とした酒 小夜衣 平成蔵初しぼり
小夜衣の蔵元である森本均社長のお母さんが
亡くなられた事を問屋さんからのFAXで知り、
葬儀は既に昨日の昼間に執り行われていた為に
参列出来なかった私は、夜になってお悔やみに伺いました。
蔵に着くと、葬儀の片付けを終えた森本社長はもう、仕事をされていました。
私が中に入って行くと、突然現れた私に少し驚きながら
「遠い所をわざわざどうも」と言いながら
蔵の中の事務室に招き入れて下さいました。
それから1時間ばかり、84才で他界されたお母さんの事から
今年の酒造りの事など、二人で話をしました。
いつもは飄々とした社長もこの日ばかりは、一抹
の寂しさを感じられているようでした。
去年新築されたばかりで、勝手の違う蔵の中での初めての酒造り。
そして病気のお母さんの容態を見ながら、酒造りをされた社長。
肉体的にも精神的にも大変だったと思います。
葬儀に参列できなかった事をもう一度詫び、蔵を後にしました。
帰途に付き、今年のお酒
『小夜衣純米酒 遠州自然流 平成蔵初しぼり』を開けました。
昨年の暮れ、出来上がったお酒を持ってきた時、『どうにか酒に
なったよ』とおっしゃっていた森本さん。
凛とした、実にいい味わいのお酒になって来ましたね。
ある意味で色々な思い出が詰まった新蔵第1号のお酒。
大事に扱わせて頂きます。