開運土井酒造杜氏 波瀬さん逝く

温故酒新堂

2009年07月17日 12:01

















今から25年前、私が27歳の時、開運の蔵元である、

土井酒造さんに初めて蔵を訪問した時

最初に応対して下さったのが波瀬さんでした。

その時から蔵元とのお取り引きが始まり、以来毎年、

蔵元見学会を開催して来ました。



造りの忙しい中、蔵の中を案内する係を

して頂きました。その際にも朴訥な能登弁を交え

お客さんの質問にも丁寧に答えて頂きました。

お昼の宴席の抽選会用にプレゼントする色紙にも

サインと酒造りへの信念を言葉にして認めて下さいました。

今年の言葉が「「基本に忠実」

『酒造りは毎年が一年生』とおっしゃっていた

波瀬さんらしい言葉です。






今年の年始にお邪魔した時は、いつもと変わらない笑顔で

私たちを迎えて下さいました。

そんな波瀬さんともうお逢いすることはないと思うと

切ない気持で一杯になります。


土井酒造さんで杜氏となり、社長さんと二人三脚で

酒質を高め、静岡に開運あり、そして毎年確実に

進化するお酒と評されるお酒に育て上げた波瀬さん。

静岡で人生の半分を過ごされ、静岡を愛し、「開運」

さんでのお酒を愛した波瀬さんの

「美味しいお酒を味わってほしい」

と言う思いで造られたお酒を、1人でも多くの方に

味わって頂く。それが私たち酒屋の

使命であり、それが、お世話になった

波瀬さんに報う事になるんだと思いました。