開運土井酒造杜氏 波瀬さん逝く
今から25年前、私が27歳の時、開運の蔵元である、
土井酒造さんに初めて蔵を訪問した時
最初に応対して下さったのが波瀬さんでした。
その時から蔵元とのお取り引きが始まり、以来毎年、
蔵元見学会を開催して来ました。
造りの忙しい中、蔵の中を案内する係を
して頂きました。その際にも朴訥な能登弁を交え
お客さんの質問にも丁寧に答えて頂きました。
お昼の宴席の抽選会用にプレゼントする色紙にも
サインと酒造りへの信念を言葉にして認めて下さいました。
今年の言葉が「「基本に忠実」
『酒造りは毎年が一年生』とおっしゃっていた
波瀬さんらしい言葉です。
今年の年始にお邪魔した時は、いつもと変わらない笑顔で
私たちを迎えて下さいました。
そんな波瀬さんともうお逢いすることはないと思うと
切ない気持で一杯になります。
土井酒造さんで杜氏となり、社長さんと二人三脚で
酒質を高め、静岡に開運あり、そして毎年確実に
進化するお酒と評されるお酒に育て上げた波瀬さん。
静岡で人生の半分を過ごされ、静岡を愛し、「開運」
さんでのお酒を愛した波瀬さんの
「美味しいお酒を味わってほしい」
と言う思いで造られたお酒を、1人でも多くの方に
味わって頂く。それが私たち酒屋の
使命であり、それが、お世話になった
波瀬さんに報う事になるんだと思いました。